多々良学園問題


静岡県 末派寺院

 週刊誌に多々良学園問題に発する宗門の金銭感覚が掲載された。さもありなんと思う。一仏両祖を掲げる宗門が、一仏一祖の選挙制度をつくり、安泰の上で謀略を練れば、施策よりも興味の対象は金銭と派閥内人事になることは当然といえよう。以下憶測ばかりだが疑問点を並べる。

@宗議は本来の責務を果たせ名誉や金銭の欲に負けるな

 ともかく、宗議会の上組織に議事録もない「総長経験者の会」なるものがあるという。これ何だろう。ここで決まれば議員はもとより内局すら反対もしないという。なんと言う腑抜けぶりだ。宗議会は不要になる。

A本山もしっかりせよ 宗議経験者の役寮は進退を考えよ

 本山もそんな宗政家に迎合するとは、恥ずかしい限りだ。

B会派は金銭収支を公表せよ

 膨大な恩金。何に使っているのか。あわせて、なぜ恩衣の保証人が宗議なのか。末派の色づけに奔走し、一仏背祖に専心か。ああ、やるせない。

Cともかく、長く勤めるのは問題だ

Dグランドホテルの借金問題は社長経験者を含め誰も責任を取らなかった。多々良学園は責任の所在を明らかにせよ。できなければ議員は一人1億円負担して解決せよ。


九州の寺院住職 匿名

 私が出家して間もないころ「末法の世に法衣を纏った悪魔が現れて仏法を滅ぼす。剃髪して法衣を纏っていても戒を破る奴は破る。悪いことをする奴はする。お前は、決してそういう和尚にはなるな。人々から尊敬される和尚になれ」と厳しく師匠が語ってくれた。私は、その言葉を心に刻みこんで、爾来三十余年、和尚としての道を歩んできた。
 ところが、我が宗門はどうだろうか? まさに「悪魔が来たりて法を滅ぼす」ではないか。
 去る十月六日付け「週刊文春」を読んで、ただただ唖然とした。「曹洞宗系列学校建設『坊主マル儲け』疑惑」の大見出しが踊る。その記事によると、「駒沢大学、同付属苫小牧高校、多々良学園高校などの宗門学校の施設建設工事に絡んで宗門のおえらい方々が莫大な裏金を懐に入れている」というのだ。
 多々良学園の移転事業については、学校側の反対を宗門が押し切って事業を行った結果、七十億円もの負債ができてしまって返済のめどが立たない。宗門はその穴埋めに宗門寺院が納める血税であるところの「宗費」や「寄付金」を当てこんでいるのだ。
 このような宗門の「醜聞」を、我々末派の寺院住職は決して許してはならない、と考えるのは私だけではあるまい。
 全国の心ある宗侶の皆様方に、次のことを呼びかけたい。
 一、過去十年間に行われた宗門関係学校の様々な工事の内容・決算書を明らかにして、第三者機関による監査を受け公開すること。
 二、疑惑の元宗務総長および関係者は自らの資産状況を公開し、疑惑が事実無根であれば自らその汚名を晴らすこと。
 三、このような事件で宗門の名を汚し、全国の檀信徒に不信感を抱かせたことの責任をとって謝罪し、事実関係を明らかにすること。
 四、曹洞宗宗議会は解散し、内局は総辞職すること。
 五、現在行われている「階級査定」を本事件解決まで凍結すること。
 六、右の一項から五項までは宗門宗侶として内局に要求する。
 七、宗門寺院は、右の要求を内局が認め実施するまで、宗費の納入を凍結すること。今、宗門は存亡の危機に直面していることを自覚しよう。